長篠堰堤(ながしのえんてい)は、新城市にある長篠発電所の取水のための小規模ダム。ここでせき止められた豊川の水が導水路を通って900mほど下流の水力発電所に送られるのですが、導水路から余った水が川側に幅広く流れ落ちる様子から、新城のナイアガラの滝とも呼ばれています。導水路の川向かいの岩場まで行けて、風に舞う水しぶきを全身に浴びながら間近で越流を眺められるのが魅力のスポット。実際に行ってみると想像以上に迫力があるので、ライダーも一見の価値ありです。見学無料。
名古屋からなら、まずはR153であえて大回りするカタチで稲武町交差点まで北上し、そこからR257で南へ走って新城市へ。新城市街地に近づき、寒狭峡大橋を越えたところのY字路をUターンするように右折して豊川の右岸道路に入ったら、900mほど進んだところにある花の木公園駐車場にバイクを駐輪。そこから釣り堀の間を抜けて50mほど岩場を進めば目の前が新城のナイアガラの滝。帰りは再びR257を南下し、R151経由でR301に入って三河の山間部を突っ切って名古屋に戻るというコース。往復約200km。
快適なツーリングルートを選んで新城へ
長篠堰堤は、新東名高速道路の新城ICを下りて4.5kmほど北に走れば到着しますが、高速道路で一気に行っては面白くないので、名古屋からR153を使って北東方向へ大回りし、稲武町交差点からR257でアクセス。このR257は信号がほとんどない快適な道で、また適度なワインディングロードになっているのでツーリングライダーに人気があります。稲武町交差点から延々45km、新城市の寒狭峡(かんさきょう)大橋まで南下。そして、寒狭峡大橋を越えてから豊川の右岸道路に入り、長篠堰堤近くにある花の木公園駐車場にバイクを停めます。
知るひとぞ知る新城のナイアガラの滝
花の木公園というのは実は「公園」ではなく、川魚料理・釣り堀・民宿を経営する民間施設の名前。ということで花の木公園駐車場は本来、施設利用者用の駐車スペースなのですが、堰堤見学者が駐車するのも黙認されています。さっそく釣り堀へと続くスロープを下り、池の間を抜けて長篠堰堤の導水路の方へ。足場の悪い岩の上を慎重に歩いて崖ぎりぎりまで進んでみると、自然岩を利用して作られた導水路からの越流が白く輝きながら流れ落ちるシーンが目の前に広がっています。高さ8m、長さ約50mのワイドな越流、これはたしかにナイアガラの滝を思わせるモノ。
轟音と水しぶきの臨場感がすごい
手すりのない岩場で足を滑らすと危険なので、ここで自撮りなどする時は注意が必要です。でも、そんなハラハラする場所で眺める越流シーンは迫力満点。鳴り響く水音に囲まれ、舞い上がる水しぶきに濡れながら、全身で新城のナイアガラの滝を堪能してみます。落ちないように気をつけながら淵を覗き込むと、渓流の上に虹が出ていて、思わず写真をパシャ。ちなみにこの長篠堰堤はその越流の美しさから、大分県の白水溜池堰堤、秋田県の藤倉水源地とともに日本の三大美堰堤(にほんさんだいびえんてい)の一つとされています。
新城までぐるっと一周、200kmコース
岩場を歩いて長篠堰堤周辺をあちこち散策したら、昼食はせっかくなので花の木公園の食事処で川魚料理セット(1,100円)など。あるいは、すぐ隣の寿恵広食堂(駐車場あり)で、新城のナイアガラの滝を眺めながら食べるあゆ丼(1,000円)などもイケます。時間があれば、花の木公園の釣り堀でマス釣り(利用料2,750円)なんていうのも・・・。帰りは新城ICから新東名高速道路に入って速攻で帰ってもいいですが、おすすめは新城市街地からR301を使って三河山間部を突っ切っていくルート。このR301もR257同様、信号がほとんどなく、快適なベースで走れるのでツーリングライダーに人気です。