苗木城跡(なえぎじょうあと)は、岐阜県中津川市にある山城の跡。巨岩が重なる標高432mの山頂にあって、昨年、専門誌の「絶景! 山城ベスト10」部門で第1位にランキングされるなど、いま注目のスポットとなっています。実は冬季は、木々の葉が落ちて石垣などの遺跡があらわになるので、観光にはかえって狙い目。実際、寒いいまの時期に訪れるツーリングライダーもけっこういます。この辺りは中津川市の中でも比較的積雪が少ない場所なので、天気の良い日を選んでぜひ。
名古屋からなら、まずはR153で稲武町交差点まで東進し、そこからR257で北進。36kmほど走って恵那市の正家交差点でR19に入ったら中津川方面に向かい、中津川ICを越えたところでR257へ。そのままR257を北進して木曽川を越え、500mほど先にある苗木城跡の案内看板のある交差点を右折すれば、すぐに苗木遠山史料館に到着。ここから苗木城跡までは徒歩で。昼食なら、R257をさらに1kmほど北に進んだところにある和菓子店で名物の栗おこわ膳など。片道約120kmのコースです。
まずは橋の上から絵になる風景をチェック
R19を走り、中央自動車道の中津川ICを越えたところでR257に入ったら、4kmほどで木曽川に架かる城山大橋に出ます。冬季は、この橋の上から見る苗木城跡が良い感じなので要チェック。橋の少し手前にある路肩のスペースにバイクを停めて、橋の上まで歩いてみて下さい。木曽川を天然の掘りとした苗木城跡がすぐ近くの山の頂上部にくっきり。木々の葉が落ちて天守展望台がはっきりと分かります。青空をバックにしたその姿はまさに天空の城といった雰囲気で、遠くには雪化粧をした中央アルプスも見えて最高。
苗木遠山史料館から苗木城跡へ
橋を渡ったら、案内看板を目印に右折して苗木遠山史料館へ。ここの無料駐車場にバイクを停めたら、さっそく散策開始。ちなみに、苗木遠山史料館の入口に置いてある竹杖を借りると山登りがすごく楽なのでおすすめ。また、散策路には無料の案内パンフレットが常備されているので、最初に苗木城跡の見どころをこのパンフレットでチェックしておくと散策の楽しみが倍増します。7分ほど歩いて行くと大矢倉に到着。自然の巨岩を基礎とした石垣がユニークな櫓跡で、その雰囲気からペルーのマチュピチュ遺跡みたいだと言われています。
天守展望台からの眺望は感動モノ
大矢倉からさらに山を登ると、いよいよ本丸跡。途中には千石井戸や、笠置山方面の絶景が堪能できる笠置矢倉などがあって見飽きません。ふうふう言いながら石積みの階段を上っていくと、寒い時期でも体はポカポカ。そして巨岩の上に建てられた天守展望台まで登りつめると、ため息が出るほどの眺望が目の前に・・・。すぐ足元には美しい木曽川が流れ、正面には中津川の街並み。そして遠景には青空をバックにした恵那山がひと際大きくそびえています。こういった広大な風景が360°見渡せ、まるでドローンからの空中映像を見ている気分。
近場なので気軽に出かけたい
天守展望台を降りたら、周囲が45mもある巨大な馬洗岩などを見学しつつ下山。切り立った石垣などには手すりがまったくないので、足を踏み外さないように注意して下さい。この少々危険な感じも苗木城跡の魅力なのですが・・・。再びバイクに乗ったら、R257に出て1kmほど先にある満天星一休(どうだんいっきゅう)苗木店で昼食を。和菓子店なのですが、中津川名物の栗おこわも食べられる穴場スポットです。そして帰りはまたR257やR153などのワインディングロードで戻りますが、路面凍結が心配な時は、行きも帰りも名古屋から幹線道路のR19を使ってアクセスすれば安心だし、距離も時間も大幅に短縮できます。