奥矢作湖(おくやはぎこ)は、愛知県と岐阜県にまたがる矢作ダムによって出来た人造湖。この湖沿いのワインディングロードがライダー好みで、昔から「奥矢作湖」、「矢作ダム」といえば、ナゴヤンライダーの走りの聖地とされてきました。かつてのバイクブーム時代には命知らずの走り屋が集結して事故も多かったですが、いまは無理のないペースで約12.7kmの周回コースを安全に楽しんでいるライダーがほとんど。気温が上がってくるこれからの時期、ワインディングロードメインのツーリングにおすすめです。
名古屋からなら、まずは有料道路の猿投グリーンロードを通って東へ。そして枝下ICで県道11に降りたら、矢作川沿いを21kmほど北上。豊田市旭支所前で県道356に右折してさらに3.2kmほど川沿いを進み、県道20に入ってしばらく走れば、矢作ダムに到着。ここから始まる奥矢作湖のワインディングロードを楽しんだら、昼食は古民家カフェでランチ。帰りは奥矢作湖沿いの県道20を上流方向へ走り、R257まで出て南下。稲武町交差点で右折してR153を使って名古屋へ。往復約150kmのコース。
奥矢作湖へ向かう道も楽しい
猿投グリーンロードの枝下(しだれ)ICから矢作川沿いを北上する県道11も信号のほとんどないワインディングロードだし、豊田市旭支所前からの県道356も同じくグネグネ道なので、コーナリング大好きライダーにとっては奥矢作湖に向かう道がすでに楽しいです。注意したいのは、ガソリンスタンドがほとんど無いので事前にしっかりと給油しておきたい点。あとは、天気が良い日でも山の中は急に冷え込むので、街なかよりずっと厚着にすべし。県道20で矢作第二ダムを越え、トンネルを抜けると渓谷の向こうに巨大な矢作ダム(矢作第一ダム)の姿が見えてきます。
堤頂道路を使って奥矢作湖を一周
矢作ダムは巨大なアーチ式コンクリートダムで、このダムの後方にあるのが奥矢作湖。右岸の岐阜県側には県道20、左岸の愛知県側には県道356が続いています。この2つの県道と矢作ダムの堤頂道路、そして奥矢作湖上流の相走橋(あいばしりばし)を使うと、湖をぐるっと回るコースになるのが楽しいところ。矢作ダム横の駐車場でトイレ休憩をしたら、さっそくこの周回コースを走ってみます。湖の地形に合わせたタイトなコーナーが次々と現れるテクニカルなワインディングロード。高低差が少ないので小排気量のバイクでもストレス無く走れます。
ツーリングペースで余裕を持って走りたい
ライダー好みのワインディングロードですが、ローリング族対策で一部のコーナーに黄色の減速帯ペイントが施されていたり、愛知県側の路面に排水用のレイングルーブが刻まれていたりする箇所があるので注意。もちろんツーリングペースで走る分には問題なく走れます。ちなみに、奥矢作湖は春の桜、秋の紅葉の名所としても有名なスポットですが、ライダーとしては、まずはワインディングロードが第一の目的。路面凍結の心配の無い時期なら、奥矢作湖は風景の美しい時期でなくてもいつでも満足出来るツーリングスポットなのです。事故の無いようにくれぐれも安全運転でどうぞ。
古民家カフェでくつろぐのも良し
奥矢作湖のワインディングロードを堪能したら、岐阜県側の県道20沿いにあるサトノエキカフェでランチ。郷土館として文化財にも指定されている古民家をリノベーションしたカフェで、懐かしい建物と古道具に囲まれていただく日替わりランチプレートや手作りのマフィンなどが美味しいです。また、カフェの駐車場には公衆トイレや自販機もあるので、奥矢作湖を眺めながらちょっとした休憩にも良い場所。ランチや休憩が済んだら、県道20でそのまま上流方向に進み、R257に突き当たったら右折。そして稲武町交差点まで走ってR153経由で名古屋に戻ります。