ビーナスラインは、長野県の茅野市から上田市の美ヶ原高原美術館まで続く約76kmの観光山岳道路。標高1,600m付近の美しい風景の中を走る全国屈指のツーリングコースとしてライダーの憧れの道ともなっています。終点の美ヶ原高原美術館まで走り切るとけっこうな距離がありますが、中央自動車道を使えば名古屋からでも日帰りツーリングが可能。いまは春の山焼きが済み、草原地帯も緑色に変わってさらに美しさを増しているビーナスライン、さあ、ナゴヤンライダーも一度はビーナスへ!
名古屋からなら、まずは中央自動車道に乗って諏訪ICまで高速走行。諏訪ICで降りたら茅野市街地を抜け、R152で一気に北上して白樺湖へ。ここからビーナスラインに入り、車山肩駐車場のころぼっくるひゅってで昼食。その先の霧の駅で右折して北上したら、三峰大展望台を越え、終点の美ヶ原高原美術館へ。帰りはまたビーナスラインを戻り、途中R142に入って岡谷市に向かい、岡谷ICから長野自動車道を経由して中央自動車道に入るというコース。往復約500km。
山岳地帯の走行はまるでCM撮影シーンのよう
諏訪ICを降りたら、県道192のビーナスラインをぐるっと走って白樺湖へ向かってもいいのですが、時間短縮のため、R152の大門街道で北上、ショートカットして白樺湖北の大門峠からビーナスラインに入ります。ここからのビーナスラインは最高。遠くに北アルプスを眺めながら、熊笹やススキの草原が広がる中を走っていると、どこか外国の美しい山岳道路を走っている気分になります。ちなみにビーナスラインは元々は有料道路でしたが、2002年に全線無料開放。以来、訪れるクルマやバイクの数も増えています。
日常とはまるで違うシーンがいっぱい
霧ヶ峰の最高峰、車山の南を通ってビーナスラインは続いていますが、この車山には夏リフトが動いているので、時間に余裕があればバイクを降りて登山してみるのも一興。リフトを乗り継いで20分ほどで1,925mの車山山頂まで登れてしまいます(リフト往復1,600円)。ここから見渡す360°の絶景はきっと一生忘れられない思い出になるはず。試しにストリートビューでチェックしてみてください。ビーナスラインをさらに進み、次の車山肩駐車場にバイクを停めたらここで昼食。知る人ぞ知るころぼっくるひゅってで名物のボルシチなど。
真夏でも寒さを感じる山岳道路を終点まで
ころぼっくるひゅっては、レストラン・チャプリンの裏手にある小さな山小屋併設カフェで分かりにくいですが、登山愛好家に人気のスポット。ボルシチやパンがうまいし、コーヒーもイケます。食事が済んだら、再びビーナスラインへ。通称・ビーナスのS字を越え、ドライブインの霧の駅で北へ。このあとはまた標高1,600m付近をはしる気持ちのいいワインディングロードが続き、楽しいです。そして最後は落合大橋から360mほど一気に駆け上がるつづら折りでゴール、美ヶ原高原美術館に到着です。ちなみに標高2,000m地点にある美ヶ原高原美術館は道の駅が併設されていて、ここが日本で一番高い所にある道の駅。
往復500km、体力と気力があれば日帰りもOK
美ヶ原高原美術館(入場料1,000円)は巨大な野外彫刻が間近で見られてとても面白いのですが、日帰りツーリングでは見て回る時間が足りないかも。外から彫刻群を眺めて記念写真をパシャ。ここでビーナスラインをUターンして名古屋へ。なお、ビーナスラインは6月下旬にレンゲツツジ、7月下旬にはニッコウキスゲの花が咲きベストシーズンを迎えますが、その分、観光客のクルマで混むので土日は避けた方がいいかも。平日を狙うか、おもいっきり早朝に出発するか、いっそベストシーズンを外して訪れるのが走り重視のライダーにオススメです。