「うだつの上がる町並み」は、岐阜県美濃市の旧中心地にある重要伝統的建造物群保存地区のことで、江戸時代に造られた歴史的景観がいまも残っている観光スポットです。ちなみに、うだつというのは隣家との間に設置された小屋根をつけた防火壁の名前ですが、裕福でないとうだつが上げられなかったことから、うだつは富の象徴でもありました。この貴重で珍しい町並みまで、名古屋からだと1時間30分ほど。寒い時期、ショートツーリングの目的地としてぴったり!
名古屋からなら、まずはR22を北上して岐阜県へ。R22は岐南ICを過ぎるとR156になるので、そのままR156で北上を続け、関市を通り抜けて、美濃市入り。そして美濃市街地の殿町交差点手前にある市営駐車場にバイクを停め、250mほど南に歩けばうだつの上がる町並みに到着。一周約1kmほどの町並みを散策し、時間があれば近くの旧名鉄美濃駅舎も見学。昼食なら再びバイクに乗って、R156沿いの道の駅・美濃にわか茶屋で。名古屋から片道60kmほどのコース。
バイクを置いて、歩いて回りたい
美濃市に入って2.6kmほど走ると、R156沿いに殿町市営駐車場があるのでバイクはここへ。駐車場利用協力金100円が必要です。マスツーリングの場合は町並み南側にある美濃市観光ふれあい広場駐車場が広いのでおすすめ(こちらも駐車場利用協力金100円)。バイクを停めたらさっそく町並みを散策します。ちなみに、町並み内はクルマやバイクが通行できるので、バイクで乗り入れて絵になる景観をバックに記念写真をパシャ・・・なんていうことも可能。休日はけっこう人通りが多いですが、平日だとひっそりとしているので狙い目かもしれません。
古い建物を見ながら散策
この地区は江戸期を通じて美濃和紙を中心にした商業が盛んだったため、裕福な商家が多かったのですが、そんな商家のひとつが旧今井家住宅。いまは美濃史料館となっていて、中を見学することもできます(入館料300円)。また、屋根全面が湾曲した「起り(むくり)」になっている造り酒屋の小坂家住宅も見応えあり。こういった歴史的建造物にあまり興味がないライダーも、時代劇のセットような風景の中を歩いて回るのはけっこう楽しいです。古い建物を改装した喫茶店や食事処もあるので、歩き疲れたらちょっとティーブレイク。
寒い時期でも美濃市までなら楽々
うだつの軒先に取り付けられた化粧瓦をうだつ飾りといいますが、凝った造りのうだつ飾りが並ぶさまを眺めていると、たしかにそれぞれの家の裕福さを誇っているように見えてきます。現在、こういったうだつ飾りが見られる町並みは全国でも珍しいし、それが名古屋のごく近場の美濃市で見られるのはラッキー。寒い時期でも、近場なので気温が上がってから出かければいいし、町並みを散策していると冷えた体もポカポカしてきます。町並みを一周してもあまり時間はかからないので、ツーリング途中の寄り道スポットとしてもグッド。
近場の観光スポットには古いモノがいろいろ
時間があれば、うだつの上がる町並みから南に1kmほど行ったところにある旧名鉄美濃駅舎もチェック。1999年に廃止された名鉄美濃町線の終着駅ですが、駅舎が当時のまま保存されていて無料で見学できます。旧ホームに展示されている3台の旧型電車もいい雰囲気。バイクで行ってもいいですが、町並みから歩いても行けます。昼食ならR156をそのまま1kmほど走ったところにある道の駅・美濃にわか茶屋が手軽で便利。美濃どまんなか御膳などが人気です。昼食が済んだら道の駅でUターンして戻ってもいいし、R156をさらに進んで郡上八幡や、その先の白川郷、高山方面へ向かうツーリングコースもアリです。