知多広域農道(ちたこういきのうどう)は、愛知県の知多市と南知多町を結ぶ全長41kmの農道で、知多半島の内陸部を縦断して半島先端付近まで行けるルート。自転車乗りの間では良く知られていますが、信号がほとんどなく、クルマも少ないし、気持ちよく走れるということでオートバイ乗りの間でも徐々に知られるようになってきました。知多半島は愛知県の中でも比較的温暖で、寒い時期でもツーリングライダーが多いスポット。この時期、少し変わった農道ルートで師崎(もろざき)港まで行ってみるのもアリです。
名古屋からなら、まずは知多市の佐布里池(そうりいけ)を目標にして南下。そして佐布里池の西にある梅が丘2丁目交差点から知多広域農道の知多満作道へ。あとはマップを参照に、味覚の道、ふるさとロード、すいせんロードと名付けられた知多広域農道を乗り継いで、最終的にR247へ。そこから海沿いのR247を3kmほど進めば知多半島先端の師崎港に到着。帰りは知多半島の海岸沿いをはしるR247で戻っても良し、有料道路の南知多道路〜知多半島道路で一気に名古屋に帰るのも良し。
農道を乗り継いで知多半島を南下
2008年に全線が開通した知多広域農道。それぞれの地域で愛称がついていて、知多エリアでは「知多満作道」ですが、常滑エリアでは「味覚の道」、美浜エリアでは「ふるさとロード」、そして南知多エリアでは「すいせんロード」という名前に変わっていきます。これらの農道を順に乗り継いで南下して行くわけですが、分岐点に全く目印がなかったり、一部、農道を外れてショートカットしたりもするので、初めてだときっと迷います。ナビを活用するか、詳細マップを準備して行ってください。まずは知多半島で目立つ佐布里池を探して、その少し西にある交差点から知多満作道へ。
農道近くの恋の水神社に立ち寄り
知多満作道はそのまま味覚の道に変わるので迷わず直進。流れもスムーズです。ただ、内陸部を走るので海は全然見えません。海がちゃんと見えるのは知多広域農道の一番最後の地点。それだけに感動もひとしおなので、目の前に青い海が見えてくるのを楽しみにどんどん進みます。味覚の道から南知多道路の美浜PA裏手の細道を経由してふるさとロードに入ったら、恋の水(こいのみず)神社にちょっと立ち寄り。参拝すれば恋が叶うといわれる神社で、SNSでも話題のスポット。紙コップ(200円)に願いを書いて、神社の湧水(恋の水)を汲んで奉納するというのがユニークです。
ラリー気分で次の道を見つける
恋の水神社を参拝したら50mほど引き返してふるさとロードに戻り、再びに南下を続けて今度はすいせんロードへ。曲がり角などに案内がないので、本当にこの道でいいのだろうか?と少し不安になってきますが、同時に、なんだかコマ図を読み解きながらラリーをしているようなツーリングがだんだん面白くなってきたりします。ちなみに、海岸沿いを南下するR247を使った一般的なルートだと夏の海水浴シーズンに大渋滞しますが、そんなハイシーズンでも知多広域農道ならスムーズに知多半島を南下可能。知多広域農道ルートは覚えておいて損はないでしょう。
バイクを路肩に停め、海をバックにパシャ!
すいせんロードを走り切れば、ついに正面に海が見えてきます。この感動を最大限に味わうために、ラストはマップにある坂道を経由してR247へ。坂道はヘアピンカーブになっていて、カーブの先に青い海が眩しく輝いています。ここが知る人ぞ知る知多広域農道の記念写真スポット。坂道を降りてR247に出たら、そのまま海沿いを走り、師崎港フェリーのりばまで走ったら今回のゴールです。バイクは師崎港駐車場前の埠頭に無料で駐輪OK。昼食なら、師崎港駐車場横の美里(みさと)羽豆岬売店で。たこ飯やしらす丼、大あさり焼きなど、師崎名物の海の幸が気軽に味わえます。ただし、雨の日以外は通年営業だった美里羽豆岬売店も、コロナ禍のいま、当面土日のみの営業となっているので注意を。