奥大井湖上駅(おくおおいこじょうえき)は、静岡県川根本町(かわねほんちょう)にある大井川鐵道井川線(おおいがわてつどういかわせん)の駅。トロッコ列車が停まる山奥の小さな無人駅なのですが、2019年に世界各国の外国人が審査するクールジャパンアワードを受賞するなど、近年、観光客が訪れてみたい秘境駅として人気が高まっています。ライダーとしては、ここに行くまでの大井川沿いの道が気持ちの良いワインディングロードになっているし、さらに先にはバイクで走れる吊り橋もあって、ツーリングの目的地としてオススメ。かなり遠いですが、なんとか日帰りができる距離です。
名古屋からなら、まずは名古屋ICから東名高速に乗り、豊田JCTから伊勢湾岸自動車道経由で新東名へ。新東名で静岡方面に100kmほど走り、大井川を渡る手前の島田金谷ICでR473に降りたら北上。そのまま大井川沿いに続く県道63、県道77、県道263、R362、県道77、県道388を乗り継いで52kmほど北上を続ければ奥大井湖上駅の対岸に到着。バイクを駐車場に停めて湖上駅を観光し、再びバイクに乗ってさらに16kmほど大井川沿いの道を進んで井川大橋へ。この吊り橋を渡り切ったらUターン。そして同じルートで名古屋に戻るというコース。往復約400km。
高速を降りたら、あとは下道を延々と北上
静岡の奥大井エリアまで日帰りで行くなら、やはり高速使用が必須。まずは新東名で島田金谷ICまで一気に走ってしまいます。ICを降りたら、あとは大井川に沿って北上するだけ。ただ、途中、けっこう分岐点や脇道も多いのでナビがあると楽です。道はずっとワインディングロードになっていて、信号もほとんど無し。延々と足を着かずに走り続けられるのが楽しいです。進むにつれ川幅が少しずつ狭まり、雰囲気が変わっていく大井川の景色もグッド。このルートは涼しい山奥方面に向かうし、ノンストップで風を切って走って行けるので、暑い時期でもけっこう快適です。
見どころもいろいろアリ
島田金谷ICから22kmほど北上したところ、地名(じな)駅近くに、日本一短いトンネルがあるのでちょっと立ち寄り。正式には構造物扱いなのでトンネルとは言えないようですが、ここで記念写真を撮っていくライダーは多いです。さらに1.6kmほど進むと塩郷の吊り橋が出てくるので、バイクを駐車スペースに停めてチェック。全長220mもあるので、最初の十数メートル程度を体験して引き返せば良いでしょう。何よりめちゃ怖い。人が歩くとすごく揺れるので渡るのに勇気がいります。ちなみに現在、県道と並走する線路をきかんしゃトーマス号が運行しているので、運が良ければこの辺りでトーマス号と一緒に走れるかも。
駐車場から山壁を登って展望スポットへ
奥大井エリアに入り、長島ダムの堤頂を渡ると奥大井湖上駅はすぐそこ。トンネルを潜り、小さなお堂の手前に駐車場に降りて行く道が見えてきます。20台ほど停められるこの無料駐車場にバイクを停めたら、そこから西側の山壁を登って、まずは奥大井湖上駅を見下ろせる展望スポットへ。長島ダムによって大井川が堰き止められてできた接岨湖(せっそこ)、そこに突き出た半島に奥大井湖上駅があります。実際、駅の一部はエメラルドグリーンの湖面に張り出していて、まさに湖上の駅。展望スポットからなら誰でもページ上のような映え写真が撮れるので、頑張って登ってみてください。
吊り橋をバイクで渡る体験もぜひ
せっかくなので、山壁の別のルートを進み、線路が敷かれた赤い橋梁を渡って湖上駅まで行ってみます。15分くらいかかりますが、日本にあるとは思えないようなこの秘境駅は訪れる価値大。湖上駅観光を済ませたら、再びバイクに乗って16kmほど上流に進み、井川湖に架かるバイクも走れる吊り橋・井川大橋まで行ってみます。吊り橋なので左右は透け透けで湖面が丸見え。長さは258mあります。対向車が来ないのを確認しつつ、吊り橋の途中にバイクを停めて記念写真をパシャ。そして吊り橋を渡り切ったら対岸でUターンして来た道をまた戻ります。昼食なら、帰り道沿いにある井川ダム近くのアルプスの里で。JA静岡市井川支店のおばちゃんたちが運営している小さな食事処で、ここの井川ダムカレーが美味しくてオススメです。