愛知県ライダーがあまり行かない穴場スポット
佐久間(さくま)ダムは、天竜川の中流にあって、静岡県浜松市天竜区と愛知県豊根村にまたがる巨大な重力式コンクリートダム。ダムの天端(てんば)道路の真ん中が県境なので、ダム半分は愛知県というわけですが、意外に愛知県ライダーに馴染みがなく、あまり行かないツーリングスポットとなっています。でも、浜松のライダーなどは佐久間ダム方面を定番ツーリングコースにしているし、秘境ムードのトンネル群やダムを見下ろせる佐久間電力館の展望台など、見どころも多いのがこの佐久間ダム。愛知県ライダーも行ってみる価値ありです。
名古屋からなら、まずは豊田市の香嵐渓からR420に入り、R473経由で東進して三河の山間部を一気に横断。続くR257で設楽町役場方面へさらに東進し、大田口交差点からR473、R151で東栄町の東栄ICへ。あるいは、新東名高速道路で新城ICまで走り、R151を北上して東栄町の東栄ICへ。どちらにしても東栄ICから佐久間道路に入り、終点の佐久間川合ICから県道1に進んで、3.5kmほど北上すれば佐久間ダムに到着。片道約120km。
佐久間道路の東栄ICを目指して
天竜川中流にある佐久間ダムへは、浜松ライダーだったら天竜川沿いのR152を北上して行けばいいのですが、愛知県ライダーだと、三河の山間部に続くワインディングロードを東進してアクセス。そして佐久間ダム直前で一直線に伸びる三遠南信(さんえんなんしん)自動車道の佐久間道路を目指して走ります。東栄ICから佐久間道路に入り、6.9km走って終点の佐久間川合ICを抜ければ、佐久間ダムへと続く県道1。ちなみに佐久間道路は通行無料ですが、自動車専用道路なので125cc以下は通行不可です。
新城ICまで新東名で行くという手も
あるいは新東名高速道路で新城ICまで走り、R151で北上して佐久間道路の東栄ICへ向かう手もあります。その場合は、新城IC近くの道の駅・もっくる新城で軽く食事なんてのもおすすめ。厚焼玉子サンド(550円)など、ボリュームたっぷりの大盛りフードがライダーに人気です。好みのルートで佐久間道路の東栄ICに進み、佐久間道路を抜けて県道1に入ると、佐久間ダム建設時にも使われたトンネル群が出てきます。洞窟のようなトンネルはなんだか秘境ムード。狭く、先が見えないのでいつ対向車が来るかドキドキします。
秘境ムードのトンネルを抜けて
1956年に完成した佐久間ダムは、当時10年かけても無理と言われていたこの場所でのダム建設をわずか3年で成しとげ、戦後の土木技術の原点となったダム。その歴史を知ると県道1のトンネル群も価値ある産業遺産に思えてきます。路面が濡れているのでバイクの足回りが汚れてしまいますが、この際我慢。県道1のトンネル群目当てでわざわざやってくるマニアもいるほどなのです。トンネル群を抜ければ佐久間ダムに到着。まずは天端道路のスペースにバイクを停め、ローラーゲートの隙間から洪水吐(こうずいばき)を覗き込んでみます。高さ155.5m、足がすくむ高さです。
佐久間電力館にも行ってみる
佐久間電力館のすぐ下に駐車場もあります。エアコンが効いているので夏なら館内を見学しながらクールダウン。ちなみに佐久間ダムのある天竜区は夏に暑い地域として有名で、山の中でも涼は期待できません。電力館を見学したらその上の展望台まで進んで、堤体と佐久間湖を見下ろす眺望を堪能。絵になる風景なので、ぜひ押さえておきたいビュースポットがここです。ただし、佐久間電力館の定休日には展望台にも入れないので、せっかく佐久間ダムに行くなら定休日の月曜日以外がおすすめ。
帰りは、天端道路を渡って愛知県側に進み、長野県の天龍村経由で戻ってもいいのですが、延々と山の中のグネグネ道を走るのを覚悟してください。ここは素直に来た道を戻る方がベター。途中、佐久間道路の東栄ICから奥三河エリアに進んでも面白いし、マップを見ながらルートを検討してみてください。