国道最高地点、渋峠を抜ける絶景ロード
「志賀草津道路(しがくさつどうろ)」は、長野県の渋温泉と群馬県の草津温泉を結ぶ峠越えの道。日本で最も標高の高い場所を通る国道で、標高2172mの日本国道最高地点碑のある渋(しぶ)峠は、ツーリングライダーの聖地ともなっています。名古屋からだと一泊する必要がありますが、渋峠を挟んで長野県側も群馬県側も絶景のワインディングロードが続き、ライダーなら一度は走っておきたいコース。いつか機会を作って出かけてみてください。なお、標高が高いため、11月上旬から4月下旬まで冬季通行止め有り。また、草津白根山の火山活動が活発化した場合も通行規制が入ります。
名古屋からなら、中央自動車道に入って北上し、岡谷JCTから長野自動車道、上信越自動車道を使って渋温泉へ。ここまで300kmほど。渋温泉で一泊し、翌日に志賀草津道路へ。志賀高原をはしるワインディングロードを20kmほど登り、横手山スカイレーター向かいの「のぞき駐車場」で休憩。時間があれば山頂の満天ビューテラスへ行くのもアリ。そこから1.6kmほど進んで渋峠を越えると群馬県。さらに750mほど行った日本国道最高地点碑の前で記念写真を撮ったあと、下りのワインディングロードを19kmほど走って草津温泉へ。帰りは嬬恋(つまごい)村を縦断し、ビーナスラインなども楽しんで名古屋に戻るという1泊2日コース。往復約700km。
渋(しぶ)温泉で宿を予約して
まずは中央自動車道から長野自動車道を経由し、上信越自動車道の信州中野ICまで走ります。信州中野ICを降りれば、渋温泉まで12kmほど。ちなみに渋温泉には千と千尋の神隠しの油屋のモデルの一つと噂される旅館・金具屋(かなぐや)もあります。また、温泉に入るサルが見られる地獄谷野猿公苑もすぐ近く。ただし、冬でないとサルは温泉に入りませんが・・・。旅館のチェックインまでの時間に余裕があるようなら、高速道路を途中で降りて、たとえば長野市の善光寺を観光するなどの寄り道を組み込んでみてください。
ワインディングロード+絶景が魅力
二日目は旅館を早めにチェックアウトして、さっそく志賀草津道路へ。すぐに豪快な登りのワインディングロードが始まり、横手山にある「のぞき駐車場」まで延々20kmほど続くのが楽しいです。絶景ポイントの一つであるのぞき駐車場に到着すると、目の高さに志賀高原のシンボル・笠ヶ岳と、その奥の空に浮かぶように北アルプスが広がっていて、感動。せっかくなので、道向かいのスカイレーターとリフトを使って横手山山頂に行くのもおすすめです(往復1800円)。横手山はリフトで上がることができる日本最高地点としても有名で、標高2307mの満天ビューテラスからの眺めも一見の価値あり。
日本国道最高地点で記念写真
のぞき駐車場から1.6kmほど進むと渋峠。ここが長野県と群馬県の県境です。駐車場に県境ラインが描かれた渋峠ホテル前などが映えスポット。ただ、渋峠の最高地点はさらに750mほど先にある標高2172mの日本国道最高地点碑が立つ駐車場なので、そこで写真を撮るのがライダーの定番です。日本国道最高地点からは、下りのワインディングロードが草津温泉まで19kmほど続き、しかもどこを向いても絶景。一気に走り切ってしまうともったいので、途中、草津白根山の駐車場で休憩したりしてゆっくりと・・・。有毒な火山ガスの臭いが走行中ずっとしますが、これも志賀草津道路ならでは、です。
通り抜けができる今がチャンス
実は志賀草津道路は、2018年1月の草津白根山の噴火以降、バイクやオープンカーの通り抜けがずっと禁止されていました。しかし、2021年3月に噴火警戒レベルが1に引き下げられたため、現在は通り抜けができるようになっています。ただし、噴火警戒レベルの状況によっては、途中から万座ハイウェーに迂回させられる場合もあるので、事前に情報のチェックを。なお、殺生河原(せっしょうかわら)区間は硫化水素が噴き出ている箇所が点在するので、駐停車厳禁です。
殺生河原を抜け、草津温泉まで下れば志賀草津道路は終わり。
ちなみに、今回は長野県側から登るルートでしたが、逆に群馬県側から登るのももちろんOK。まずはどこに宿を取るかを決めてからツーリングコースを考えてみてください。